考えや経験をあてはめたり、照らしあわせたりすること

決断力 (角川oneテーマ21)を読んだ。
自分の考えを別のものにあてはめてみる。また、他人の考えと自分の考えを照らしあわせてみる。これがおもしろい。
羽生善治さんの将棋に対する考えは、テニスにつながるものがある。本書を読んでいるとテニスを一生懸命やっていたころを思い出す。
実際に本書ではテニスと将棋が似ているという記述もある。

 特に似ているのはテニスだろう。テニスはトータルゲームなので、ポイントで勝っても試合に負けることがある。サービスゲームを交互にやったり、一人で流れを変える努力をするところは、すごく似ているし、役に立つ。それに実力差がないときに、どうやって差をつけるかも似ている。

変わること

最近、テニスをうまくなるためにはどうすればいいんだろうと考えている。体力や筋力が落ちて動けなくなった。昔のように根性だけでボールを追えない。相手のミスをひたすら待つ戦法をとれない。自分から展開できるようにしなければいけない。だから、ボレーやラリーの配球を考える必要がある。

勝負の世界では「これでよし」と消極的な姿勢になることが一番怖い。組織や企業でも同じだろうが、常に前進を目指さないと、そこでストップし、後退が始まってしまう。

これはその通りだ。何かを変えるのは勇気がいる。今までのやり方にとらわれていたり、一時的な失敗をさけてしまう。僕もミスを待つテニスだけが、自分にできることだと思っていた。しかし、やらないから他のことができないだけだ。ミスを待つテニスだって最初はできなかった。だから、常に変わろうとすることが大切だと今は思う。

集中について

 私が深く集中するときは、スキンダイビングで海に深く潜っていく感覚と似ている。
 一気に深い集中力には到達できない。海には水圧がある。潜るときにはゆっくりと、水圧に体を慣らしながら潜るように、集中力もだんだんと深めていかなければならない。そのステップを省略すると、深い集中の域に達することはできない。焦ると浅瀬でばたばたするだけで、どうもがいてもそれ以上に深く潜っていけなくなってしまう。逆に、段階をうまく踏むことができたときには、非常に深く集中できる。

これもテニスの試合で感じたことがある。集中力が高まると、冷静なのに気持ち?は熱いままというような状態になることがある。この状態になると、相手がどこに打ってくるかわかる。どんな球を打ってもミスする気がしない。ただ、試合の序盤にここまで集中力が高くなることは今までない。試合の中で自分がやるべきことを一つずつ考えて、対応していく。そうすると、試合にのめりこんでいく。ここまでの段階を経てようやく集中力が高まった状態になる気がする。この状態での試合はすごく楽しかった。

上達と考えること

 最近の子どもは、教えてもらわないとうまくならない傾向があるとよく聞く。たとえば、子どもに問題を出すと「まだ習ってない」からと、自分の頭で考えようとしない。
 将棋の場合は特にそうだが、どの世界でも、教える行為に対して、教えられる側の依存度が高くなってしまうと問題である。将棋は、自分で考え、自分で指し手を決めていくものだ。誰かに教わってそれをそのまま真似たり、参考にしてやっていくことが習慣化してしまうと、局面を考える力は育たなくなってしまう。

「教えられる側の依存度が高くなる」これを僕もやってしまっていた。先輩にアドバイスを請う機会が多かった。聞かないと失礼だというような空気?習わし?があったのも関係して、とりあえずでアドバイスを貰っていた。自分自身にどんな目的があって、どんな状況だから、〜について気になった点を教えてほしい。というような具体的なアドバイスを貰おうとしていなかった。
アドバイスする側だって、ただ漠然とアドバイスくださいじゃ答えにくい。そして、何となく貰ったアドバイスをもとに、言われてみたから練習してみる。これでは上達につながりにくいのかなと今は思う。
上達するためには「自分の納得感」が必要だ。納得感は、〜が足りないから〜しようと自分で上達までの過程を考えた結果うまれる。「言われたからやってみる」でなかなか上達しないのは、納得感がうすいからというのが理由の1つだと考えている。スポーツだと運動神経が良い人は、単純に上達が早い。自分で考えず、言われたことを飲み込むだけで周りより上達するかもしれない。しかし、運動神経が良い人でも、更に上達したいと思ったら自分で考える必要性が出てくる。
自分で考える習慣は、テニスに限らず必要なことだ。例えば、春から新社会人として一から学んでいくことがある。今までのように、周りに自分の考える過程を押しつけることがないようにしたい。だからって何でも一人で考えてすますことがないようにもしないと。

おわり

自分の考えを別のものにあてはめてみる。また、他人の考えと自分の考えを照らしあわせてみる。これによって改めて考え直すことや、新しく気付くことがある。
羽生善治さんの将棋観から、テニス経験を振り返った。次は自分のテニス経験を将棋に当てはめてみよう。上達できるかもしれない。