『金融がやっていること』永野良祐著 を読んだ感想

金融がやっていること (ちくまプリマー新書)を読んだ。
疑問点とメモをまとめた。

  1. 疑問
  2. メモ

疑問

円高がよくわからん

本著に円高についての記載がある。

円高というのは、他の国のおカネに対して円が強くなるという意味で、これは、日本で作って、円で価格が決まるモノの値段が外国で高くなるという意味です。

『金融がやっていること』 p162

これは理解できる。例えば、ドル円で考えると1ドル100円から1ドル80円になるのが円高で、円の価値が高くなってる。だから、外国から見ると円の商品は値段が高くなる。

しかし、続く次の内容が理解できなかった。

つまり、日本のモノは値段が高くても海外で売れるということです。日本の製造業が海外で競争することができる、つまり「競争力がある」のは、人件費の低さではなく、製造業の効率の良さと作ったモノの品質の高さであると考えられますが、高い効率・品質を保つにはおカネが必要ですから、円高になるような局面は、製造業の各社におカネを回さなくてはならないという金融の役割に期待が高まると言えましょう。

『金融がやっていること』 p162

円高=高くても売れるっていうのがよくわからない。
円高=海外でモノが売れなくなる=競争できてない という図式が頭にはある。
だから、円高=製品が高くても売れる=競争力ある という流れが理解できない。
そもそも、円の価値がどう決まるかを理解してないのが問題な気もする。

たとえば円高になると、日本で作るモノが外国人から見ると高くなるため、海外でモノが売れなくなる可能性があります。それを嫌う日本の企業は海外に工場を建設するという動きに出ます。その場合には、当然、おカネが必要になります。

『金融がやっていること』 p163

これは理解できる。
円高で苦しい→対策として海外工場建設→おカネが必要→銀行がお金回す という図式がイメージできるが、
前述の円高でも売れる・・・というところは、やっぱりよくわからんかった。

金融市場の地位

 実際、世界の金融の中心は、ニューヨークとロンドンであり、東京は残念ながら大きく後退しているのが現実です。かつては日本の金融市場の地位は極めて高かったのですが、現在では東京の地位はさほど高いものではありません。

『金融がやっていること』 p168

単純に金融市場の地位は何を基準に決めているのだろか、と疑問に思った。
なんだろう?企業規模とか、市場規模? 回る金の量とか?

メモ

きになったところ

おカネを必要な人に回したところで、すべての人がおカネを返すわけで花というのも金融の一側面ですが、実際に返せない人がでると大きなニュースになるのです。
(中略)
多くの企業は銀行からおカネを借りていますから、企業の倒産によって、おカネを返してもらえなくなる銀行が出ているはずだからです。

『金融がやっていること』 p166

何を考えたかなど明確に言葉にできないが、印象に残った部分だった。

 本書で何度も繰り返していますが、金融の役割を煎じ詰めていくと「すぐに使わないおカネを持っている人から、おカネを必要とする人に、おカネを回すこと」です。

『金融がやっていること』 p178

金融の根本がなんなのか、少しは理解できた気がする。

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